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 昭和55年版 犯罪白書 第1編/第3章/第4節/1 

第4節 業過犯歴保有者の犯歴分布状況等

1 業過犯歴保有者の犯歴分布状況

 I-87表は,前記50万人中,業務上過失致死傷(以下本節において「業過」という。)の犯歴を保有する者について業過の犯歴数別に人員の分布状況を示したものである(ここでは,他罪種犯歴保有は考慮せず,業過犯歴のみについて見ている。)。業過犯歴保有人員は32万9,853人で,総人員の66.0%,その保有する業過犯歴総数は39万5,526犯で,全犯歴中の52.7%を占めている。業過犯歴1犯者の占める比率は,人員で84.2%,犯歴で70.2%であり,業過犯歴1犯者の比率が極めて高いことが特徴的である。2犯者は,人員で4万1,695人(12.6%),犯歴で8万3,390犯(21.1%)で,業過1犯者及び同2犯者で,人員の96.8%,犯歴の91.3%を占めている。
 業過犯歴を多く保有する者は,9犯者が1人,10犯者が1人である。10犯者について,その犯歴を見ると,他罪種の犯歴は保有せず,昭和38年から51年までの間に,いずれも業過て罰金に処せられているものである。9犯者について見ると,その保有する犯歴は,業過以外に3犯あり,業過については28年から48年までの間にいずれも罰金に処せられ,他罪種では,28年に食糧管理法違反及び道路交通取締法違反で懲役3月及び罰金3,000円,懲役刑につき2年間執行猶予に処せられ,29年に覚せい剤取締法違反及び道路交通取締法違反で罰金3,000円に処せられ,45年に暴行で罰金5,000円に処せられたものである。

I-87表 業過犯歴保有者の犯歴数別人員分布及び犯歴分布