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 昭和54年版 犯罪白書 第4編/第4章/第2節/3 

3 保護観察

IV-48表 女子保護観察対象者の新規受理人員(昭和49年〜53年)

IV-49表 罪名・非行名別女子保護観察新規受理人員(昭和53年)

IV-50表 女子保護観察終了者の終了事由別構成比(昭和53年)

 最近5年間に全国の保護観察所に新たに受理された女子を事件種別に見ると,IV-48表のとおりである。昭和53年の受理総数は2,426人で,52年に比べ404人,20.0%の増加となっている。これを事件種別の内訳で見ると,仮出獄者がわずかに減少したほかは,いずれの種別においても,前年に比べ,20%から30%に近い増加を示している。
 これらの者の罪名・非行名を見ると,IV-49表のとおりで,少年では,虞犯,窃盗及び覚せい剤取締法違反が多く,仮出獄者及び保護観察付執行猶予者では,窃盗及び覚せい剤取締法違反が多い。これを最近3年について比較してみると,少年における虞犯の割合の横ばい,少年,成人共に,刑法犯(特に窃盗)の割合の減少,特別法犯(特に覚せい剤取締法違反)の割合の増加が目立っている。
 次に,これらの者の保護観察終了の事由を見ると,IV-50表のとおりである。これを事件種別に男子のそれと比較してみると,保護観察処分少年では,男子に比べ良好措置の割合が少なくて不良措置の割合がやや多く,少年院仮退院者では,逆に,女子の方に,良好措置の割合が高くて不良措置の割合が低い。仮出獄者,保護観察付執行猶予者では,良好措置の者は見られないが,不良措置の割合は男子に比べて女子の方が低くなっている。
 保護観察においては,特に性別によって処遇を分けてはいないが,更生保護会の施設に収容するに当たっては,性別による区分が行われており,現在女子を保護対象とする更生保護会の施設は全国に10箇所ある。