前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和53年版 犯罪白書 第3編/第4章/第3節/4 

4 生活状況等

 III-70表は,調査対象受刑者についての今次の犯行時における生活程度を示すものである。生活程度下の者が,窃盗累犯で70.1%を占め,次いで,詐欺累犯の64.9%となっている。これに対して,対照群は46.6%であって,窃盗累犯及び詐欺累犯は対照群に比べて概して生活程度の低い者が多くなっている。
 次に,III-71表は,前刑出所時の帰住場所について見たものである。窃盗累犯の39.9%,詐欺累犯の36.6%が更生保護会・社会福祉施設に帰住しているのに対して,対照群では,14.5%がこれらの施設に帰住しているにすぎない。また,父母,配偶者等の親族の下に帰住している率は,対照群の70.0%とかなり高いのに対して,窃盗累犯は46.4%,詐欺累犯は36.6%と低くなっている。
 続くIII-72表は,今次の刑に係る犯罪の犯行時における居住場所を示すものである。住所不定・不明の者が,詐欺累犯で50.0%,窃盗累犯で40.3%を占めているのに対して,対照群では17.3%にすぎない。
 III-73表は,同様に,今次の刑に係る犯罪の犯行時における職業について見たものである。無職の者が,窃盗累犯で50.0%,詐欺累犯で45.0%を占め,有職の者であっても,窃盗累犯の21.6%が建設業(土工・人夫と推定される。)及び単純作業に従事しており,また,詐欺累犯の22.5%がその他の雑多な職種に従事しているのが注目される。

III-70表 窃盗・詐欺累犯者の本刑犯行時の生活程度

III-71表 窃盗・詐欺累犯者の前刑出所時の帰住場所

III-72表 窃盗・詐欺累犯者の本刑犯行時の居住場所

III-73表 窃盗・詐欺累犯者の本刑犯行時の職種