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 昭和53年版 犯罪白書 第1編/第2章/第1節/3 

3 暴力団関係者による犯罪

 最近5年間における業過を除く刑法犯の検挙人員のうち暴力団関係者の占める比率を主要罪名別に示したのが,I-33表である。最近5年間について見ると,全検挙人員は昭和50年まで増加し,51年で若干の減少を見たものの,52年では再び増加しているのに対し,暴力団関係検挙人員は起伏を示しつつもほぼ横ばいの傾向にある。検挙人員中に占める暴力団関係者の比率は,全体としては最近数年間著しい変動を示していないが,これを罪名別に見ると,総じて暴力的犯罪においてその比率が上昇しつつある。また,52年の検挙人員中暴力団関係者の占める比率は,脅迫が52.6%で最も高く,恐喝の47.1%,賭博の45.8%などがこれに次いでいる。
 次に,最近5年間における道交違反を除く特別法犯の送致人員(検挙した被疑者を検察庁又は家庭裁判所に送致した人員)のうち暴力団関係者の占める比率を主要罪名別に示したのが,I-34表である。昭和52年では,暴力団関係者の送致人員は前年より6.5%増加したが,暴力団関係者以外の者の送致人員の増加率がこれを上回ったため,全送致人員に占める暴力団関係者の比率は,前年よりやや低下して13.5%となっている。52年の送致人員中暴力団関係者の占める比率は,覚せい剤取締法違反が55.6%で最も高く,以下,競馬法違反の52.3%,自転車競技法違反の51.0%などの順となっている。