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 昭和51年版 犯罪白書 第3編/第4章/第4節/1 

1 収容状況

 収容者の最も多かった昭和35年と最近3年間における婦人補導院の入出院状況は,III-141表のとおりで,50年の新収容者は28人となっている。開設以来の新収容者の推移は,III-28図のとおりで,40年以降は,売春防止法違反による女子新受刑者の数を下回っている。

III-141表 婦人補導院の入出院状況(昭和35年,48年〜50年)

III-28図 婦人補導院新収容者及び売春防止法違反女子新受刑者の推移(昭和33年〜50年)

 次に,新収容者がどのような特性を持つものかを見ることとする。
 昭和50年における新収容者の精神状況は,III-142表のとおりで,精神薄弱その他精神に障害のある者が6割強を占めている。知能指数で言うならば,普通以上(IQ90以上)は,わずか1人にすぎない。これら精神に障害のある者の占める割合は,ここ数年問増加する傾向にある。

III-142表 婦人補導院新収容者の精神状況(昭和48年〜50年)

 新収容者の年齢分布を見ると,40歳以上が半数以上を占めている。また,売春による処分歴を有する者,売春経験が5年を超える者は,それぞれ,新収容者の8割近くにも達している。
 昭和50年における新収容者に対する検診の結果を見ると,総数の4割近くが性病にかかっており,その他の傷病者を含めると,9割の者が疾患者であるということになる。