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 昭和50年版 犯罪白書 第2編/第4章/第5節/4 

4 「社会を明るくする運動」

 犯罪予防活動の一形態として,月間運動の形で全国規模で組織的に行われている活動が「社会を明るくする運動」である。この運動の前身は,昭和25年7月1日から10日間実施された「矯正保護キャンペーン」であって,当初は主として善意と援護を基調として,専ら犯罪者・非行少年の社会復帰の援助を運動の目的にしていたが,翌年から「社会を明るくする運動」として月間運動となり,更に,36年開催の第11回から法務省主唱の形に拡大され,その目的も青少年の健全育成・犯罪予防と広がり,犯罪者・非行少年の社会復帰の援助をも含んだ幅広い国民運動になった。また,44年開催の第19回からは,重点目標に,「社会連帯の強化」という表現を取り入れ,地域社会全体を対象にし,地域住民を組織し,地域ぐるみの運動にしようとした動きが注目される。この方向は以後踏襲され,数年来,重点目標が,地域住民の連帯による青少年非行の防止に定められ,毎年7月中の1箇月をその運動期間とし,全国的に各種の行事が展開され,50年にはその第25回を迎えた。