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 昭和49年版 犯罪白書 第2編/第3章/第2節/6 

6 予後

 昭和41年から47年までに東京婦人補導院を出院した延人員は467人であるが,出院者中の再度以上入院者による重複を避けて計上すると,実人員は430人となる。この430人について,同院が48年9月20日までの予後を調査した結果を示したものが,II-88表89表90表までである。

II-88表 東京婦人補導院出院者の予後(昭和41年〜47年の累計)

II-89表 東京婦人補導院出院者の入院度数と予後との関係(昭和41年〜47年の累計)

II-90表 東京婦人補導院出院者の院内成績と予後との関係(昭和41年〜47年の累計)

 まず,II-88表によると,再逮捕歴のない者が35%であって,これらは一応社会に適応復帰しているものと考えられる。婦人補導院入院者の資質,環境等が前述のように恵まれないものである点を考慮すると,この数値は補導処分の効果を評価する上で示唆に富むものといえよう。再逮捕された者のほとんどはやはり売春事犯であり,勧誘の罪を繰り返したものと思われる。
 II-89表及びII-90表によって,入院度数及び院内成績と予後との関係みると,入院度教の少ない者の方が再逮捕の比率が若干少なく,また,院内成績の良好な者の方が再逮捕者の比率もまた少ないことがうかがえる。このことは,補導処分がより早い時期になされることの効果や,院内における処遇の効果を示唆するものであろう。