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 昭和46年版 犯罪白書 第三編/第一章/六/1 

1 収容状況

 昭和四五年一二月末日現在の少年受刑者数は,III-86表のとおり,八九一人(うち女子一人)で,前年に比べ,三四三人減少(前年より三八・五%減)している。少年受刑者数は,昭和四一年以降やや増加を示していたが,昭和四四年からは,減少が著しい。

III-86表 少年受刑者の年末現在人員(昭和30,35,40〜45年)

 次に,昭和四五年中に,新たに入所した少年受刑者(二〇歳未満の者)総数は,III-87表の示すとおり,三三八人で,前年に引き続き大幅に減少している。

III-87表 20歳未満新受刑者の罪名別人員(昭和43〜45年)

 同表により,その罪名別人員をみると,昭和四五年では,強姦が二四・三%で最も多く,以下,窃盗の二一・六%,業務上過失致死傷の一八・三%,強盗の一五・一%,傷害・暴行の八・九%の順となっているが,業務上過失致死傷の占める割合の増加が著しい。
 少年受刑者の場合,成人に比べ,強姦,強盗の占める比率が高く,窃盗,詐欺の占める比率が低いことは,例年と同様の傾向である。
 二〇歳未満の新受刑者の刑名,刑期をみると,III-88表のとおりであり,昭和四五年においては,懲役刑(三〇四人)では,三年をこえ五年以下が最も多く三〇・三%を占め,次いで,一年をこえ二年以下の二三・四%,二年をこえ三年以下の一九・七%の順となっている。禁錮刑(三四人)では,六月をこえ一年以下が六七・六%を占めて圧倒的に多く,一年をこえ二年以下の二〇・六%がこれに次いでいる

。III-88表 20歳未満新受刑者の刑名・刑期別人員(昭和43〜45年)

 次に,少年新受刑者(四〇三人)を入所度数別にみると,III-89表のとおり,昭和四五年においては,その九八・三%(三九六人)までが初入者であり,入所度数二度の者は,わずかに一・七%(七人)にすぎない。成人受刑者中に占める初入者の割合は四七・三%であるから,少年受刑者の場合,初入者の占める割合が著しく大きい。しかし,この初入の少年新受刑者の保護処分歴をみると,III-90表のとおり,その四六・七%に保護処分歴があり,そのうち,少年院送致歴のある者が大部分(総数の三七・四%)を占めている。なお,少年院送致歴のある者の占める率は毎年減少している。

III-89表 少年新受刑者の入所度数別人員(昭和45年)

III-90表 少年新受刑者中初入者の保護処分歴別人員(昭和43〜45年)