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 昭和46年版 犯罪白書 第三編/第一章/五/2 

2 収容状況

 昭和四五年に,少年院に新たに収容された少年は,三,九六五人(男子三,六五八人,女子三〇七人)で,前年に比較し総数において四四四人(男子三八一人,女子六三人)減少している。昭和四一年以降の新収容者を,少年院の種別ごとにみると,III-72表のとおり,昭和四五年のそれは,それぞれ,昭和四一年における新収容者数の約半数に減少している。

III-72表 新収容者の少年院種類別人員(昭和41〜45年)

 次に年末在院者についてみると,III-73表に示すとおり,昭和四五年末では,総数四,八六〇人(男子四,四五五人,女子四〇五人)で,少年院の種別ごとにみると,初等少年院四五四人(総数の九・三%),中等少年院三,二五二人(同六六・九%),特別少年院七五七人(同一五・六%),医療少年院三九七人(同八・二%)となっており,前年同期と比較すると,総数において五三八人の減少となっている。なお,構成比においては,初等少年院および中等少年院のそれが増加を示している。

III-73表 在院者の少年院種類別人員(昭和44,45年各12月31日現在)

 新収容者につき,最近五年間の各年次総数に対する年齢別構成比の推移をみたものがIII-74表である。昭和四五年においては,例年のとおり,一八歳(総数の二七・四%),一九歳(同二九・五%)のものの占める比率が最も高い。一八歳以上の年長少年は漸増,一六,七歳の中間少年は漸減の傾向がみられ,一四,五歳の年少少年は漸減傾向にあったが昭和四五年においては前年に比べ増加を示した。

III-74表 新収容者の年齢別構成比(昭和41〜45年)

 次に,III-75表によって,新収容者の行為別人員をみると,昭和四五年においては,例年のとおり,窃盗が最も多く,二,〇二八人,新収容者総数の五一・一%を占め,次いで,強姦・わいせつ四五三人,一一・四%,虞犯三〇五人,七・七%,恐喝二九六人,七・五%の順となっている。最近五年間の推移でみると,これらの順位ならびに構成比に顕著な変化はみられない。

III-75表 新収容者の行為別構成比(昭和41〜45年)

 最近五年間の新収容者について,家庭裁判所の保護処分歴のある者と,とくに少年院再入者の人員ならびに新収容者中の割合を示したものがIII-76表である。昭和四五年においては,新収容者総数の七六・七%,三,〇四二人が保護処分歴をもつ者であり,一七・一%,六八一人が少年院に再入した者である。それらを年齢段階別にみると,年長少年ほど高率となっていることがみられ,一八歳以上の年長少年においては,八三・四%が保護処分歴をもち,二二・四%が少年院再入者である。最近五年間の推移をみると,保護処分歴のあるものは少年院再入者を含み,実数において一貫して減少を続けているが,新収容者総数に対する割合においては,昭和四三年まで増加の傾向を示し,昭和四四年からは減少しているのがみられる。

III-76表 新収容者の保護処分歴(昭和41〜45年)

 次に,新収容者のうち初めて少年院に収容された者について,家庭裁判所における処分歴のある者の人員および構成比をIII-77表によってみると,昭和四五年においては,初めて少年院に収容された者三,二八四人のうち,審判不開始・不処分を受けた者一,五三八人(初入院者中の四六・八%),保護観察に付された者一,五八五人(同四八・三%),教護院・養護施設送致決定を受けた者二六一人(同七・九%)となっており,これらの処分歴を総括して,すでに家庭裁判所において何らかの処分を受けた者は,二,三六一人で,初入院者の七一・九%となっている。過去五年間のこの推移を前掲の表によってみると,昭和四四年以降処分歴のある者の比率は漸減している。

III-77表 初入院者の保護処分歴(昭和41〜45年)

 新収容者の教育歴をみると,III-78表のとおりである。昭和四五年においては,新収容者の六八・三%にあたる二,七〇九人は中学卒業者である。これに対し,不就学三人を含み,義務教育未修了者は,三七八人,九・五%となっている。他方,高校および大学の在学・中退・卒業等の者は八七八人,二二・一%となっている。昭和四一年以降のこれらの推移をみると,中学卒業者は実数の上で減少しているが,なお約七〇%を占め,高校および大学の在学・中退・卒業者群は構成比の上で増加を続け,高校については,その在学および卒業者はいずれも昭和四五年において前年に比較し実数においても増加を示している。これに対し,義務教育未修了者については,実数,構成比ともに減少を示している。

III-78表 新収容者の教育歴別人員(昭和41〜45年)

 新収容者の非行時の職業は,III-79表のとおりである。例年のとおり,約半数(総数の四九%)は無職者であり,技能工・生産工程従事者一八・二%,学生生徒九・一%,単純労働八・七%,サービス業従事者七・〇%がおもなものとなっている。昭和四一年からの総数に対する構成比からみると,技能工・生産工程従事者が漸増の傾向を示している。

III-79表 新収容者の非行時の職業別人員(昭和41〜45年)

 次に,新収容者の知能指数分布をみると,III-80表に示すとおりで,例年のとおり,知能指数の分布は低い方にかたよっている。知能指数一一〇以上の者も総数の四・六%みられるが,知能指数八九以下の者が,男子の五三・二%,女子の六〇・二%とそれぞれ半数以上を占めている。とくに知能指数六九以下の,精神薄弱を疑わせる者が,男子の一〇・五%,女子の二三・一%と大きな割合を占めている。

III-80表 新収容者の性別知能指数(昭和45年)

 昭和四五年の新収容者の精神診断状況は,III-81表に示すとおりである。例年のとおり,準正常者が最も多く総数の八三・四%を占め,次いで精神薄弱者九・六%(男子三二一人,女子五八人),精神病質者五・二%(男子一八九人,女子一九人)の順となり,正常と診断された者は〇・三%(男子一〇人,女子一人)にすぎず,少年院の新収容者には,資質に問題のある者の多いことが示されている。

III-81表 新収容者の性別精神診断状況(昭和45年)

 昭和四五年における少年院出院者総数は,五,二八四人(男子四,八〇六人,女子四七八人)で,うち退院は一,二六八人,仮退院は三,一六三人であり,その平均在院日数は,退院者のそれが三九七日,仮退院者のそれが四五二日となっている。III-82表は,少年院の種類別に退院者・仮退院者の人員,それぞれにおける平均在院日数を昭和四一年以降について示したものである。これによると,仮退院者の人員は,昭和四二年(中等少年院にあっては昭和四三年)以降いずれも減少を示し,退院者の人員は昭和四四年(中等少年院にあっては昭和四三年)以降減少している。平均在院日数については,初等少年院の仮退院,中等少年院の退院および仮退院の場合にいずれも増加の傾向を示し,医療少年院における退院の場合に減少傾向を示している。

III-82表 少年院種類別の退院・仮退院平均在院日数と人員(昭和41〜45年)