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平成30年版 犯罪白書 第7編/第2章/2

2 高齢者の意識

7-2-6図は,内閣府が全国の60歳以上の男女を対象に実施した「高齢者の経済・生活環境に関する調査」の結果から,近年の高齢者の経済的な暮らし向きについての意識を見たものである。経済的な暮らし向きに心配ないと感じている高齢者の割合(「家計にゆとりがあり,まったく心配なく暮らしている」及び「家計にあまりゆとりはないが,それほど心配なく暮らしている」に回答した者)は,全体の6割以上を占めている。

7-2-6図 高齢者の暮らし向き
7-2-6図 高齢者の暮らし向き
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内閣府は,我が国の高齢者と諸外国の高齢者の生活意識を把握するため,60歳以上の男女(施設入所者を除く。)を対象に,5年ごとに「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を実施している。7-2-7図7-2-8図及び7-2-9図は,平成17年度及び27年度に行われた調査結果の一部を分析したものである。

7-2-7図は,「現在の生活に満足しているか」という質問に対し,「満足している」及び「まあ満足している」と回答した者の比率を国別に見たものである。平成17年度,27年度共に,ドイツ及び米国の高齢者と比べ,我が国の高齢者は満足度が若干低い。

7-2-7図 生活に対する総合満足度
7-2-7図 生活に対する総合満足度
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7-2-8図は,「現在の貯蓄や資産は老後の備えとして十分か」という質問に対し,「社会保障で基本的な生活は満たされているので,資産保有の必要性がない」,「十分だと思う」及び「まあ十分だと思う」と回答した者の比率を国別に見たものである。平成17年度,27年度共に,ドイツ及び米国の高齢者と比べ,我が国の高齢者はこのように回答した者の割合が顕著に低く,また17年度と比べ,27年度に下がっている。我が国では老後の備えについて不安を感じている高齢者の比率が高く,また上昇していることが推察される。

7-2-8図 老後の備えに対する充足度
7-2-8図 老後の備えに対する充足度
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7-2-9図は,複数回答で「近所の人たちとの付き合い方」を見たものである。平成17年度,27年度共に,我が国の高齢者では,多い順に「外でちょっと立ち話をする程度」,「物をあげたりもらったりする」,「お茶や食事を一緒にする」,「相談ごとがあったとき,相談したり,相談されたりする」及び「病気のときに助け合う」である。ドイツ及び米国の高齢者と比べると,「外でちょっと立ち話をする程度」及び「物をあげたりもらったりする」が高く,「相談ごとがあったとき,相談したり,相談されたりする」及び「病気のときに助け合う」が低い。また,我が国で17年度と比べ,27年度に割合が増えているのは「外でちょっと立ち話をする程度」のみで,他は減っている。

我が国の高齢者の近所付き合いは,浅い内容のものが主で,困ったときに相互に支え合う側面が薄く,近所付き合い全般の消極化も見られ,支える家族等がないと社会的孤立につながりやすいことが推察される。

7-2-9図 近所の人たちとの付き合い方
7-2-9図 近所の人たちとの付き合い方
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