5-2-3-9図<1>は,平成19年から28年の各年の出所受刑者について,2年以内再入率の推移を出所事由別(仮釈放又は満期釈放等の別をいう。以下この項において同じ。)に見たものである。総数及び満期釈放者等(満期釈放等により刑事施設を出所した者をいう。以下この項において同じ。)の2年以内再入率は,18年以降わずかながら低下傾向にあり,28年は総数では17.3%(前年比0.6pt低下),満期釈放者等では25.6%(同1.6pt低下)であった。仮釈放者の2年以内再入率は,23年以降わずかながら上昇していたが,28年は11.3%(同0.1pt上昇)であり,ほぼ横ばいで推移している。同年の出所受刑者の2年以内再入率を,19年の出所受刑者と比べると,総数では3.1pt低下,満期釈放者等では4.5pt低下,仮釈放者では0.3pt上昇している。また,2年以内再入率について,「再犯防止に向けた総合対策」(本編第1章1項参照)との関係で見ると,29年末時点での再入率は,基準値(20%)から2.7pt低下している。なお,28年の出所受刑者のうち一部執行猶予受刑者はいなかった(矯正統計年報による。)。
5-2-3-9図<2>は,平成16年から25年の各年の出所受刑者について,5年以内再入率の推移を出所事由別に見たものである。25年の出所受刑者の5年以内再入率は,16年の出所受刑者と比べて,総数では4.0pt,満期釈放者では6.9pt,仮釈放者では2.1pt,いずれも低下している。
5-2-3-10図は,平成19年から28年の各年の出所受刑者について,2年以内再入率の推移を男女別,年齢層別及び罪名別に見たものである。
男性の2年以内再入率は,女性と比べて一貫して高いものの,最近10年間では緩やかに低下しており,平成28年は17.7%と,19年と比べて3.4pt低下している。一方,女性の2年以内再入率は,最近では26年から2年連続で低下していたものの,28年は14.2%と,前年と比べて1.6pt上昇しており,出所年によって変動がある。
年齢層別の2年以内再入率は,29歳以下の年齢層が一貫して最も低い。65歳以上の高齢者層は,29歳以下及び30〜64歳の年齢層と比べると一貫して最も高いものの,出所年によって変動が大きく,平成28年は20.6%と,前年と比べて2.6pt,19年と比べると7.7pt,いずれも低下している(なお,30〜39歳,40〜49歳,50〜59歳,60〜64歳の各年齢層の2年以内再入率の推移については,CD-ROM参照)。
罪名別の2年以内再入率は,窃盗が他の罪名と比べて一貫して最も高いものの,低下傾向にあり,平成28年は22.3%と,19年と比べて5.8pt低下している。詐欺は,出所年によって変動があるものの,21年以降は毎年低下しており,28年は11.5%と,19年と比べて11.5pt低下している。傷害・暴行は,出所年によって変動が大きいものの,28年は16.1%と,19年と比べて0.5pt低下している。一方,覚せい剤取締法違反の2年以内再入率は,20%前後で推移しており,28年は18.7%と,19年と比べて2.1pt低下している。