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平成30年版 犯罪白書 第2編/第5章/第2節/1

1 保護観察対象者の人員等
(1)保護観察開始人員の推移

2-5-2-1図は,仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者の保護観察開始人員の推移(昭和24年以降)並びに全部執行猶予者の保護観察率の推移(昭和32年以降)を見たものである。刑の一部執行猶予制度の導入に伴い,平成29年から,仮釈放となって保護観察を開始した者の人員には実刑部分について仮釈放となった一部執行猶予者を含み,また,刑の執行を猶予され保護観察を開始した者としては,保護観察付全部執行猶予者及び保護観察付一部執行猶予者の各人員を合わせて計上している。同年の仮釈放者のうち一部執行猶予者は283人,保護観察付全部・一部執行猶予者のうち保護観察付一部執行猶予者は248人であった(CD-ROM資料2-8参照)。なお,仮釈放者,保護観察付一部執行猶予者,保護観察付全部執行猶予者の保護観察開始人員は,事件単位の延べ人員である(特に断らない限り,以下この節において同じ。)。

平成29年の保護観察開始人員については,仮釈放者は前年より減少し(前年比3.8%減),保護観察付全部・一部執行猶予者も前年より減少した(同6.3%減)。全部執行猶予者の保護観察率は,20年までの低下傾向が,21年に上昇に転じた後,25年以降10.0%が続いていたが,28年に8.9%となり,29年は8.0%と前年より0.9pt低下した(一部執行猶予者の保護観察率については,CD-ROM資料2-8参照)。

2-5-2-1図 保護観察開始人員・全部執行猶予者の保護観察率の推移
2-5-2-1図 保護観察開始人員・全部執行猶予者の保護観察率の推移
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平成29年末の保護観察対象者の人員は,仮釈放者が4,820人(前年末比2.3%減),保護観察付全部・一部執行猶予者が9,855人(同4.7%減)であった(保護統計年報による。)。

(2)保護観察対象者の特徴
ア 年齢

2-5-2-2図は,仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者について,平成29年における保護観察開始人員の年齢層別構成比を見たものである。

2-5-2-2図 保護観察開始人員の年齢層別構成比
2-5-2-2図 保護観察開始人員の年齢層別構成比
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イ 罪名

平成29年における保護観察開始人員の罪名を見ると,仮釈放者では,男性は窃盗,覚せい剤取締法違反,詐欺の順に多く,女性は覚せい剤取締法違反,窃盗,詐欺の順に多かった。保護観察付全部・一部執行猶予者では,男女共に窃盗,覚せい剤取締法違反,傷害の順に多かった。なお,保護観察付全部・一部執行猶予者のうち,保護観察付一部執行猶予者の罪名を見ると,83.9%が覚せい剤取締法違反であった(CD-ROM資料2-9参照)。

ウ 保護観察期間

2-5-2-3図は,仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者について,平成29年における保護観察開始人員の保護観察期間別構成比を見たものである。

なお,保護観察付全部執行猶予者と保護観察付一部執行猶予者に分けてそれぞれの保護観察期間を見ると,保護観察付全部執行猶予者では,2年を超えるものが98.5%であったが,保護観察付一部執行猶予者では,2年以内のものが95.6%を占めた(CD-ROM参照)。

2-5-2-3図 保護観察開始人員の保護観察期間別構成比
2-5-2-3図 保護観察開始人員の保護観察期間別構成比
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エ 居住状況

2-5-2-4図は,仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者について,平成29年における保護観察開始人員の居住状況別構成比を見たものである。仮釈放者では,更生保護施設に居住する者の構成比が約3割と最も高かった。

また,保護観察付全部執行猶予者と保護観察付一部執行猶予者を比較すると,親族と同居する者の構成比はどちらも半数を超えていたが,単身で居住する者の構成比は保護観察付全部執行猶予者で26.3%,保護観察付一部執行猶予者で10.5%という差が認められた(CD-ROM参照)。

2-5-2-4図 保護観察開始人員の居住状況別構成比
2-5-2-4図 保護観察開始人員の居住状況別構成比
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