アジア太平洋矯正局長等会議(APCCA:Asian and Pacific Conference of Correctional Administrators)とは,昭和55年(1980年)から年1回開催されている,アジア太平洋地域各国の矯正行政の責任者等が,その所掌業務上の問題や知見等について意見交換及び情報共有を行う国際会議であり,我が国も,第1回会議から毎年参加している。平成27年(2015年)11月にタイ王国のバンコクで開催された第35回会議には,アジア及び太平洋の23の国と地域が参加した。同会議では,各国から統計データ等を基にそれぞれの矯正の概況が報告され,矯正行政が直面している課題とそれに対する新たな取組,女性に対する刑務所内処遇及び社会内処遇,安全,効率的かつ効果的な矯正サービスに資するツールとしてのテクノロジー導入等に関する討議が行われた。
また,我が国がAPCCA運営委員会の構成国(選挙により4か国が選定される。)に立候補し,各国からの賛同を得て選出され,今後4年間,本会議の運営に携わることとなった。
世界保護観察会議(World Congress on Probation)は,社会内処遇の発展や,国際ネットワークの拡大を期すために,世界各国の実務家や研究者等が意見交換等を行う,この分野では世界最大規模の国際会議である。平成27年(2015年)開催の第2回会議で,我が国が,平成29年(2017年)開催の第3回会議の開催国となることが決定されており,法務省保護局及び国連アジア極東犯罪防止研修所(次節参照)等が中心となって,世界各国における社会内処遇の更なる積極的活用に資する議論を行うことなどが予定されている。