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平成27年版 犯罪白書 第6編/第4章/第3節/1

1 類型化の方法

今回,対象者を類型化するに当たっては,調査対象事件中の性犯罪の罪名,被害者の年齢,共犯の有無及び犯行態様に着目した。

はじめに,対象者を,性犯罪の罪名に刑法犯を含む者と条例違反のみの者とに大別した上で,前者については,被害者の年齢,性犯罪の罪名及び共犯の有無により,後者については,犯行態様により,それぞれ以下の要領で類型化を行った。

前者,すなわち,性犯罪の罪名に強姦又は強制わいせつを含む者については,平成18年版犯罪白書における類型化に倣い,まず,被害者に13歳未満の者を含む者と含まない者とに分け,次に,罪名に強姦を含む者と強制わいせつのみの者とに分け(被害者に13歳未満の者を含む対象者については,13歳未満の被害者に対する罪名により分ける。),さらに,単独犯行のみの者と共犯による犯行がある者とに分けるという,3段階の類型化を行った。

また,後者,すなわち,性犯罪の罪名が条例違反のみの者については,その犯行態様により,痴漢を含む者と盗撮等(卑わいな言動を含む。以下この節において同じ。)のみの者とに分けて類型化を行った。

この類型化によって得られる10類型の性犯罪者類型の名称及びそれに該当する者は,次のとおりである。

「単独強姦型」は,被害者に13歳未満の者を含まず,罪名に強姦を含む単独犯行の者である。

「集団強姦型」は,被害者に13歳未満の者を含まず,罪名に強姦を含み,共犯による犯行がある者である。

「強制わいせつ型」は,被害者に13歳未満の者を含まず,罪名に強姦を含まず,強制わいせつを含む単独犯行の者である。

「強制わいせつ(共犯)型」は,被害者に13歳未満の者を含まず,罪名に強姦を含まず,強制わいせつを含み,共犯による犯行がある者である。

「小児わいせつ型」は,被害者に13歳未満の者を含み,13歳未満の被害者に対する罪名に強姦を含まず,強制わいせつを含む単独犯行の者である。

「小児わいせつ(共犯)型」は,被害者に13歳未満の者を含み,13歳未満の被害者に対する罪名に強姦を含まず,強制わいせつを含み,共犯による犯行がある者である。

「小児強姦型」は,被害者に13歳未満の者を含み,13歳未満の被害者に対する罪名に強姦を含む単独犯行の者である。

「小児強姦(共犯)型」は,被害者に13歳未満の者を含み,13歳未満の被害者に対する罪名に強姦を含み,共犯による犯行がある者である。

「痴漢型」は,罪名が条例違反のみで,犯行態様に痴漢を含む者である。

「盗撮型」は,罪名が条例違反のみで,犯行態様が盗撮等のみの者である。

なお,対象者の中には,複数の異なる性犯罪の罪名を有する者や,被害者が複数であって,13歳未満の被害者と13歳以上の被害者を共に含む者もいるが,前記の基準に従い類型化を行っている。そのため,性犯罪者類型の名称が,必ずしもその者が犯した性犯罪の全てを網羅しているとは限らない。