少年事件については,少年法により,被害者等による少年事件記録の閲覧・謄写,被害者等からの意見の聴取及び被害者等に対する審判結果等の通知の制度がある。さらに,少年法の改正(平成20年法律第71号)により,被害者等の権利利益の一層の保護を図るため,平成20年7月8日から意見聴取の対象者の範囲が拡大され,また,同年12月15日から一定の重大事件の被害者等が少年審判を傍聴することができる制度及び家庭裁判所が被害者等に対して審判の状況を説明する制度が実施されるとともに,少年事件記録の閲覧・謄写の要件の緩和及び範囲の拡大もされている。26年に被害者等から申出がなされた人員は,少年事件記録の閲覧・謄写が1,055人(うち相当と認められた人員1,042人),意見の聴取が270人(同264人),審判結果等の通知が1,269人(同1,266人)であった。また,同年に,被害者等に少年審判の傍聴が認められた件数・人員は59件・79人であり,審判状況の説明を受けた人員は545人であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。
このほか,保護処分を受けた少年の処遇状況等に関する事項についても,被害者等から希望があった場合,少年院の長は,加害少年が収容されている少年院の名称,少年院における教育状況,出院年月日・出院事由等について,地方更生保護委員会は,仮退院審理の開始・結果に関する事項について,保護観察所の長は,保護観察処分少年及び少年院仮退院者の保護観察の開始・処遇状況・終了に関する事項について,それぞれ通知を行っている。平成26年においては,少年院での処遇に関する事項について延べ246件,仮退院審理に関する事項について延べ117件,保護観察状況に関する事項について延べ779件の通知が行われた(法務省矯正局及び保護局の資料による。)。