更生保護の機関には,法務省に置かれている中央更生保護審査会(委員長と委員4人で組織する合議制の機関),高等裁判所の管轄区域ごとに置かれている地方更生保護委員会(3人以上の政令で定める人数(15人)以内の委員で組織する合議制の機関)及び地方裁判所の管轄区域ごとに置かれている保護観察所がある。中央更生保護審査会は,法務大臣への個別恩赦の申出等の権限を有し,地方更生保護委員会は,矯正施設の長からの申出等に基づき,仮釈放・仮退院の許否を決定するなどの権限を有している。保護観察所は,保護観察,生活環境の調整,更生緊急保護の実施,犯罪予防活動の促進等の業務を行っている。
更生保護に関しては,平成18年6月の更生保護のあり方を考える有識者会議の提言により,20年6月,犯罪者予防更生法(昭和24年法律第142号)と執行猶予者保護観察法(昭和29年法律第58号)を整理・統合した更生保護法が施行され,遵守事項が整理されるなど,その提言に沿って保護観察処遇等の充実が図られている。