平成26年における通常第一審の終局裁判に対する上訴率(公訴棄却の決定,正式裁判請求の取下げ及び移送等による終局を除く終局処理人員に対する上訴(控訴及び跳躍上告)人員の比率)は,地方裁判所の裁判については11.7%,簡易裁判所の裁判については4.8%であった。同年の高等裁判所における控訴事件の終局処理(移送等を含む。)人員を受理区分別に見ると,被告人側のみの控訴申立てによるものが5,773人(98.0%),検察官のみの控訴申立てによるものが100人(1.7%),双方からの控訴申立てによるものが15人(0.3%),破棄差戻し・移送等によるものが2人であった(司法統計年報による。)。
平成26年における高等裁判所の控訴審としての終局処理人員を罪名別に見るとともに,これを裁判内容別に見ると,2-3-3-1表のとおりである。
破棄人員558人について破棄理由を見ると,判決後の情状によるものが341人と最も多く,次いで,量刑不当(115人),事実誤認(70人)の順であった(二つ以上の破棄理由がある場合は,それぞれに計上している。司法統計年報による。)。また,第一審の有罪判決が覆されて無罪となった者は11人であり(司法統計年報による。),第一審の無罪判決が覆されて有罪となった者は,検察官が無罪判決を不服として控訴した36人のうち19人であった(検察統計年報による。)。
第一審が裁判員裁判の控訴事件について見ると,平成26年の終局人員は452人であり,そのうち控訴棄却は353人と最も多かった。そのほか,控訴取下げ46人,破棄自判50人(自判内容は,一部有罪1人,他は有罪であった。),破棄差戻し・移送1人,公訴棄却2人であった(司法統計年報による。)。
平成26年に言い渡された控訴審判決に対する上告率(控訴棄却の決定,控訴の取下げ,公訴棄却の決定及び移送等による終局を除く終局処理人員に対する上告人員の比率)は,40.7%であった。同年における最高裁判所の上告事件の終局処理人員は,1,974人(第一審が高等裁判所であるものを含む。)であり,その内訳は,上告棄却1,618人(82.0%),上告取下げ340人(17.2%),公訴棄却決定7人,破棄自判6人,破棄差戻し・移送3人であった(司法統計年報による。)。
第一審が裁判員裁判の上告事件について見ると,平成26年の終局人員は212人であり,その内訳は,上告棄却179人,上告取下げ28人,破棄差戻し・移送3人,破棄自判2人(自判内容はいずれも有罪)であった(司法統計年報による。)。