受刑者の帰住予定地を管轄する保護観察所では,刑事施設から受刑者の身上調査書の送付を受けるなどの後,保護観察官又は保護司が引受人と面接するなどして,帰住予定地の状況を確かめ,住居,就労先等の生活環境を整えて改善更生に適した環境作りを働き掛ける生活環境の調整を実施している。この結果は,仮釈放審理における資料となるほか,受刑者の社会復帰の基礎となる。
生活環境の調整を開始した受刑者の人員は,平成19年から3年連続で減少していたが,22年から増加に転じ,24年は5万716人(前年比7.9%増)であった(保護統計年報による。)。
平成21年度から,保護観察所では,高齢又は障害により自立困難で住居もない受刑者等について,厚生労働省により各都道府県に整備された地域生活定着支援センターと連携し,社会福祉施設に入所することなどができるようにする特別調整を行っている。24年度においては,特別調整が終結した人員は625人であり,その内訳は,高齢者305人,知的障害者225人,精神障害者141人,身体障害者88人(重複計上している。)であった。また,特別調整の結果,福祉施設等につながった人員は353人(終結した人員中の56.5%)であった(法務省保護局の資料による。)。