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 昭和40年版 犯罪白書 第三編/第三章/六/3 

3 少年院仮退院者の保護観察状況

(一) 少年院仮退院者

 地方委員会で仮退院の許可があった少年院仮退院者は,原則として,二〇才に達するまで,保護観察を受けることになる(特別の事情がある者については,二六才に達するまで,延長できる)。

(二) 保護観察の実施状況

 保護観察開始時における少年院仮退院者の一〇年間の出頭状況は,III-80表のとおりで,出頭率は各種保護観察対象者中最も高く,しかも,累年漸増の傾向にある。昭和三八年の出頭率は九八・四%であり,正当な理由のない不出頭者の割合は,〇・七%に過ぎない。出頭率が,このようにきわめて良好であることは,少年院,地方委員会,保護観察所間で,緊密な連けいがとられ,帰住の際における保護者の同伴や,関係職員の同行等,出頭の確保に,各種の努力が重ねられてきた成果であろう。

III-80表 少年院仮退院者の出頭状況(昭和29〜38年)

 次に,保護観察の終了状況は,III-81表のとおりである。これを個々の内容についてみると,成績良好で退院を許された者および成績良好で保護観察終了になった者が,いずれも昭和三七年以降増加し,成績不良で終了の者は,累年減少していて,この面からは,成績の向上をうかがうことができる。しかし,一面,再非行などによる家庭裁判所の取消しが漸増傾向にあること,また,全体的傾向として,保護観察処分少年の場合に比べ,所在不明になる者(III-77表III-82表を比較参照のこと)や家庭裁判所で取消しになる者(III-79表III-81表を比較参照のこと)が少なくないことは,仮退院少年が保護観察処分少年より非行度の進んだものが多いとはいえ,仮退院の運用,保護観察の実施方法について,さらに検討を要するものがあることを示唆するものといえよう。

III-81表 少年院仮退院者の保護観察終了事由別人員の累年比較(昭和34〜38年)

III-82表 少年院仮退院者の所在不明人員と率(昭和24〜38年)