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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第3章/第5節 

第5節 更生保護制度の改革の方向

 更生保護制度の目的は,犯罪や非行をした人の改善更生を助け,その人による再犯を防止して,社会を保護し,個人及び公共の福祉を増進することにある。「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」においては,「治安回復のための基盤整備」の施策の一つとして「更生保護制度の充実強化」が採り上げられ,その重要性が指摘されている。
 しかし,近時,保護観察対象者による重大再犯事件の発生を受け,更生保護の現状,取り分け,その再犯防止機能に対し,国民の厳しい目が向けられるようになり,更生保護制度全般の抜本的な検討・見直しが,強く求められることとなった。これを受け,法務省は,必要な改革を早期に実現するため,平成17年7月20日,法務大臣の委嘱を受けた有識者の委員からなる「更生保護のあり方を考える有識者会議」(以下,本節において「有識者会議」という。)を発足させた。
 有識者会議は,更生保護制度のあり方について,幅広い観点から検討・議論を積み重ね,平成18年6月27日,法務大臣に対して「更生保護制度改革の提言―安全・安心の国づくり,地域づくりを目指して―」を提出した。