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 平成17年版 犯罪白書 第2編/第4章/第2節/4 

4 新受刑者の特徴

(1) 年齢

 平成16年における新受刑者の男女別の年齢層別構成比は,2-4-2-5図のとおりである。

2-4-2-5図 新受刑者の男女別・年齢層別構成比

 新受刑者に占める高齢者の比率は,近年上昇傾向にある。平成16年は,60歳以上の者が3,129人(男子2,920人,女子209人)となり(前年比200人増),新受刑者全体に占める比率も9.8%(同0.4ポイント上昇)となった。なお,同年の65歳以上の新受刑者は,1,357人で,新受刑者全体の4.2%を占めている。
 60歳以上の新受刑者の年齢層別人員の推移(最近20年間)は,2-4-2-6図のとおりである。

2-4-2-6図 60歳以上の新受刑者の年齢層別人員の推移

 平成16年12月31日現在における全受刑者のうち,60歳以上の者は,7,381人(このうち70歳以上は1,386人)であり,全受刑者の11.5%(前年同日現在と比較して0.5ポイント上昇)を占めている。

(2) 罪名

 平成16年における新受刑者の罪名別構成比を,男女別に高いものから見ると,男子では,窃盗が30.0%と最も高く,次いで,覚せい剤取締法違反(18.1%),道路交通法違反(7.0%),詐欺(7.0%),傷害(6.0%)の順であり,女子では,覚せい剤取締法違反が35.4%と最も高く,次いで,窃盗(28.4%),詐欺(9.2%),殺人(4.3%),道路交通法違反(3.6%)の順であった(巻末資料2-7参照。)。
 男子では,窃盗,次いで,覚せい剤取締法違反という順位は,平成10年以降変わらない。
 女子では,昭和53年以降,覚せい剤取締法違反が最も多数を占めている。平成10年以降,その実数は,おおむね横ばいであるが,他の受刑罪名の受刑者が増加傾向にあるため,構成比は低下傾向にある。

(3) 刑の種類と刑期

 平成16年における新受刑者の刑の種類を見ると,懲役が3万1,841人(99.2%)であり,残りは,禁錮212人(0.7%),拘留35人(0.1%)であった。死刑の執行人員は,2人であった。
 懲役の新受刑者の刑期別構成比(最近5年間)は,2-4-2-7図のとおりである。
 各年とも,刑期が「1年を超え2年以下」の者の比率が最も高いものの低下傾向にあり,2年を超える者の比率が上昇傾向にある(年末在所懲役受刑者の刑期別収容人員の推移については,巻末資料2-11参照。)。

2-4-2-7図 懲役新受刑者の刑期別構成比の推移

(4) 初入新受刑者の比率の推移

 新受刑者に占める初入者(入所度数が1度の者)の比率の推移(最近20年間)は,2-4-2-8図のとおりである。
 平成13年以降,新受刑者のうち初入者が半数を超えており,16年は,初入者の占める比率が51.7%であった。

2-4-2-8図 初入受刑者の比率の推移

(5) 初入新受刑者の執行猶予歴・保護処分歴

 平成16年における新受刑者中の初入者1万6,591人(男子1万5,158人,女子1,433人)の執行猶予歴及び保護処分歴は,2-4-2-9図のとおりである。

2-4-2-9図 初入新受刑者の執行猶予・保護処分歴

(6) 入所度数

 平成16年における新受刑者のうち,再入者(入所度数が2度以上の者をいう。以下同じ。)の比率は,48.3%であった。再入受刑者の罪名別構成比を男女別に見ると,男子では窃盗(33.2%),女子では覚せい剤取締法違反(48.9%)が最も高い(巻末資料2-8参照。)。
 入所度数5度以上の新受刑者は,新受刑者総数の17.0%であり,このうち,窃盗及び覚せい剤取締法違反で61.4%を占めている(巻末資料2-9参照。)。