犯罪予防活動は，犯罪者や非行少年の改善更生を図るための活動と並んで，更生保護の重要な活動の一部となっている。
　更生保護における犯罪予防活動の内容は，世論の啓発，社会環境の改善及び地域住民の活動の助長等多岐にわたるが，その特色は，犯罪予防の方法として，社会的連帯感や絆を強化・助長するような地域社会への働き掛けを重視する点にある。これに加えて，犯罪や非行に陥った人々の社会復帰について地域住民の理解と関心を深め，地域社会が彼らを地域の一員として受け入れ，その更生を援助するよう促すことにより，彼らが再び犯罪や非行に陥るのを防止することを目指している。
　具体的には，街頭広報活動のほか，講演会，非行問題を話し合う対話集会（ミニ集会），青少年非行相談，不良図書の追放運動，犯罪・非行の事例に基づいて話合いを進める公開ケース研究会，スポーツ大会・ワークショップ（体験学習）・親子ふれあい行事など住民が参加・体験する形の様々な行事等が行われている。
　これらの活動は，保護観察所，保護司会，更生保護女性会，BBS会等が，関連する様々な機関・団体と連携しつつ，年間を通じて実施しているが，特に毎年7月を強調月間として全国一斉に“社会を明るくする運動”が展開され，平成15年には全国で345万人余りの人々が参加した。