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 平成15年版 犯罪白書 第5編/第3章/第4節/1 

第4節 社会的背景とその影響

1 無職凶悪犯罪者の増加

 5―3―4―1図は,昭和48年以降の学職別殺人・強盗の検挙人員・構成比の推移を見たものである。まず,殺人について見ると,昭和48年から50年代末までは,実数でも構成比でも有職者が主婦,学生・生徒等を除くその他無職者(以下,「無職者」という。)を上回っていたが,60年代には両者が実数,構成比ともに同程度となり平成に入って以降は有職者は横ばいだが,無職者はやや増加傾向にある。
 強盗については,昭和57年までは実数,構成比とも有職者が多かったが,その後無職者が有職者を超えるようになり,平成4年以降は,両者とも増加傾向となるも,無職者の増加の方が著しくなって実数・構成比とも格差が開きつつあり,14年と3年を比較すると,無職者は実数で3年の3.3倍,構成比で12.6ポイント増,有職者は実数で1.8倍,構成比で12.0ポイント減となっている。また,学生・生徒等は平成5年ころまで横ばいであったが,その後増加傾向を強めており,実数では14年は5年の2.3倍,構成比では2.4ポイント増となっている。

5―3―4―1図 学職別殺人・強盗検挙人員・構成比の推移