3―1―3―1表は，平成5年以降10年間の，財産犯（本節では，強盗，恐喝，窃盗，詐欺，横領及び遺失物等横領をいう。）による財産上の被害について，認知件数，被害者数及び被害総額の推移を見たものである。
　平成14年には，被害者数は221万7,374人（前年より2万7,118人，1.2％の増加），被害総額全体で3,758億8,000万円（同93億4,000万円，2.5％の増加）となっていて，ともに8〜9年以降の増加傾向が続いている。被害総額を罪名別に見ると，平成14年には，窃盗によるものが2,974億2,000万円で，被害総額全体の約8割を占め，次いで詐欺によるものが536億1,000万円（14.3％），横領によるものが179億1,000万円（4.8％）等となっている。近年の推移を見ると，8年以降12年までは，窃盗によるものが増加し，窃盗以外の罪名によるものはそれほど増加しなかったが，13年及び14年には，窃盗によるものが減少し，強盗，詐欺，横領によるものが増加している。

3―1―3―1表　財産犯認知件数及び被害額

　3―1―3―2図は，平成14年の財産犯による財産上の被害のうち，現金の被害について，罪名別に，窃盗による被害についてはその手口別に，構成比を示したものである。被害金額全体の約半分を窃盗が占めるが，詐欺も約3分の1を占めている。また，窃盗の手口別の被害を見ると，侵入盗によるものが被害金額全体の30.0％を占め，非侵入盗によるものが21.2％を占める。

3―1―3―2図　財産上の被害を受けた被害総額（現金のみ）の罪名別構成比