1 更生保護の機関 更生保護の機関は,法務省に置かれる中央更生保護審査会,高等裁判所の管轄区域に設置される地方更生保護委員会(8庁),地方裁判所の管轄区域に設置される保護観察所(50庁)からなっている。中央更生保護審査会は,委員長と委員4人で組織する合議制の機関で,法務大臣に対し,特定の者について個別に行う恩赦の申出をすること,地方更生保護委員会(以下,本章において「地方委員会」という。)がした決定につき犯罪者予防更生法及び行政不服審査法の定めるところにより審査を行い,裁決を行うことなどをその権限としている。地方委員会は,3人以上12人以下の委員で組織する合議制の機関で,仮釈放の許否を決定する権限等を有している。保護観察所は,保護観察の実施,更生緊急保護及び犯罪予防活動等の広範な事務を行っている。 地方委員会の事務局と保護観察所に,保護観察官が置かれ,保護観察官は,医学,心理学,教育学,社会学その他の更生保護に関する専門的知識に基づいて,保護観察,人格考査その他犯罪者の更生保護及び犯罪予防に関する事務に従事している。
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