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 平成14年版 犯罪白書 第4編/第2章/第6節/3 

3 保護観察対象少年の特徴

(1) 非行名

 4-2-6-2図は,平成13年における保護観察処分少年(交通短期保護観察少年を除く。以下,本項において同じ。)及び少年院仮退院者の新規受理人員を非行名別に見たものである。男子は,保護観察処分少年及び少年院仮退院者ともに窃盗の構成比が最も高くなっている。一方,女子は,保護観察処分少年では窃盗の構成比が最も高く,次いで傷害の順となり,少年院仮退院者では覚せい剤取締法違反の構成比が最も高く,次いで虞犯の順となっている。

4-2-6-2図 保護観察処分少年及び少年院仮退院者新規受理人員の非行名別構成比

(2) 年齢層

 平成13年の保護観察処分少年及び少年院仮退院者の新規受理人員を年齢層別に見たのが,4-2-6-3図である。保護観察処分少年では,16・17歳の占める比率が,18・19歳とほぼ同率ながら最も高くなっている。また,15歳以下の者の比率が上昇傾向にあり,13年は前年より0.7ポイント上昇し,17.5%となっている。少年院仮退院者では,18・19歳の占める比率が最も高いが,20歳以上の者の比率も13.6%に上っている。

4-2-6-3図 保護観察処分少年及び少年院仮退院者の年齢層別構成比

(3) 国籍

 平成13年における保護観察処分少年及び少年院仮退院者の新規受理人員の国籍(地域を含む。)別構成比を見ると,保護観察処分少年では,日本98.1%,韓国・朝鮮0.8%,ブラジル0.6%,中国0.2%,少年院仮退院者では,日本97.9%,韓国・朝鮮1.2%,ブラジル0.5%,フィリピン,ペルー,中国,ヴィエトナムがそれぞれ0.1%となっている(保護統計年報による。)。

(4) 保護処分歴

 平成13年の保護観察処分少年及び少年院仮退院者の新規受理人員を保護処分歴別に見ると,保護観察処分少年では,処分歴のない少年の比率が50.2%(前年比0.8ポイント上昇)で最も高く,次いで,保護観察処分18.4%,不処分14.7%,審判不開始13.1%となっている。少年院仮退院者では,処分歴のない者は25.8%(前年比0.2ポイント上昇)で,処分歴のある者は,保護観察処分40.3%,少年院送致17.3%,不処分6.3%,審判不開始5.9%となっている(保護統計年報による。)。

(5) 薬物等使用歴

 平成13年における保護観察処分少年の新規受理人員のうち,受理時において薬物等を使用していた者の比率は14.2%であり,使用薬物別に見ると有機溶剤11.6%,覚せい剤1.8%等である。少年院仮退院者では,受理時において薬物等を使用していた者の比率は,13年は前年よりも2.9ポイント低下して36.6%となっており,使用薬物等別に見ると有機溶剤23.8%,覚せい剤11.5%等となっている(保護統計年報による。)。

(6) 不良集団関係

 平成13年における保護観察処分少年の新規受理人員のうち,受理時において不良集団と交渉のあった者の比率は38.0%である。交渉のあった不良集団の内訳を高い順に見ると,暴走族17.5%,地域不良集団13.3%,不良生徒・学生集団5.3%等となっており,暴力団と交渉のあった者の比率は0.7%にすぎない。これに対して,少年院仮退院者では,不良集団と交渉のあった者の比率は62.9%であり,その内訳を高い順に見ると,暴走族35.2%,地域不良集団18.8%,暴力団4.5%等となっており,保護観察処分少年と比べた場合,とりわけ暴力団とかかわっていた者の比率が高い(保護統計年報による。)。