2-5-2-1図は，平成4年以降における仮出獄申請受理人員，仮出獄人員及び仮出獄率の各推移を見たものである(巻末資料2-12参照)。

2-5-2-1図　仮出獄申請受理人員及び仮出獄人員・仮出獄率の推移

　仮出獄申請受理人員は，平成4年以降，1万3,000人台の前半で推移していたが，その後，9年に1万3,745人と増加して以降，増加傾向が顕著となり，11年には1万4,179人，さらに13年には前年より1,402人増加し，一挙に1万6,027人となっている。
　拘留受刑者及び労役場留置者の仮出場並びに婦人補導院からの仮退院については，近年，共に該当者がない状態が続いていたが，平成12年は，仮出場を許可された者が1人見られたものの，13年は，該当者はいなかった。

　仮出獄人員については，平成13年は，前年よりも1,167人増加して，1万4,423人となっている。また，仮出獄率は，近年，おおむね56％台から58％台で推移しており，13年は，前年を0.2ポイント上回り，56.1％となっている。

　2-5-2-2表は，最近3年間における，不定期刑を除く仮出獄申請に対する棄却率を，刑の種類等の別に示したものである。無期刑及び5年を超える有期刑の棄却率は高く，平成13年で無期刑が19.0％，5年を超える有期刑が8.7％となっている。

2-5-2-2表　刑の種類・刑期別仮出獄許否状況

　2-5-2-3図は，平成13年に仮出獄を許された者(不定期刑及び無期刑の者は除く。)について，刑の執行率(執行すべき刑期のうち，仮出獄により出所するまでに執行された刑期の比率)を累犯者・非累犯者別及び刑期別に示したものである。累犯者・非累犯者別に見ると，非累犯者は，累犯者と比べ刑の執行率が低くなっている。

2-5-2-3図　仮出獄者の累犯者・非累犯者別及び刑期別に見た刑の執行率

　また，2-5-2-4表は，最近10年間に仮出獄を許された無期刑受刑者について，行刑施設における在所期間別人員を見たものである。

2-5-2-4表　無期刑仮出獄者の行刑施設在所期間別人員

　保護観察所においては，行刑施設及び少年院における被収容者の社会復帰を円滑にするため，その者が収容された直後から継続的に家族その他の引受人との調整を行い，本人の社会復帰のため最も適した環境を準備する環境調整を実施している。
　平成13年においては，受刑者3万9,865人及び少年院在院者7,184人の計4万7,049人について環境調整を新たに実施し，同年12月31日現在，受刑者・少年院在院者を合わせて5万3,151人について環境調整を実施中である(保護統計年報による。)。