1-2-4-3表は，平成4年から13年までの10年間に，[1]検察庁で不起訴処分に付された被疑者のうち，精神障害により，心神喪失者又は心神耗弱者と認められた者の推移，[2]第一審裁判所で心神喪失を理由として無罪になった者及び心神耗弱を理由として刑を減軽された者の推移，並びに13年の罪名・精神障害名別処分結果を見たものである。13年においては，心神喪失者・心神耗弱者と認められた者694人のうち，406人が措置入院，65人が実刑・身柄拘束となっている。13年に，心神喪失により不起訴処分になった者340人について，その罪名を見ると，殺人(87人)が最も多く，次いで傷害(59人)，放火(56人)の順であり，精神障害名を見ると，精神分裂病(230人)が最も多い(巻末資料1-11及び1-12参照)。

1-2-4-3表　心神喪失者・心神耗弱者と認められた者の罪名・精神障害名別処分結果

　また，平成13年に不起訴(起訴猶予)処分に付された者のうち心神耗弱者と認められた者270人について，その罪名を見ると，傷害(79人)が最も多く，次に精神障害名を見ると，精神分裂病(173人)が最も多く，次いでアルコール中毒(23人)の順になっている。
　平成13年に，第一審裁判所で心神耗弱により刑の減軽となった者83人について，その罪名を見ると，殺人(24人)が最も多く，次に精神障害名を見ると，精神分裂病(24人)が最も多く，次いで知的障害(16人)の順になっている。