(1) 窃盗の認知件数の増加等 この26年間に増加した認知件数のうち,111万8,011件は窃盗の認知件数の増加によるもので,増加分の約70%を占める。 窃盗の主要手口別の認知件数を見ると,昭和49年以降,自転車盗,空き巣ねらい,万引き等が多数を占めてきたが,最近は,路上での暴力的手段を用いたひったくり(平成期で412.7%増),自動販売機荒らし(過去9年間で579.5%増),車上ねらい(過去3年間で67.0%増)の増加率が高く,また,ピッキング用具(特殊な解錠道具)を用いるなど職業犯的な色彩の強い事務所荒らし(過去3年間で51.7%増),空き巣ねらい(同47.6%増),金庫破り(過去2年間で92.7%増)等の増加が顕著であり,手口において変化が見られる。なお,ここ数年,侵入盗では,ピッキング用具の使用事案が激増し,平成12年では,11万7,725件の空き巣ねらいのうち2万1,532件(18.3%)が,5万4,483件の事務所荒らしのうち3,981件(7.3%)がピッキング用具の使用事案である。 窃盗の共犯別態様を見ると,ひったくりと金庫破りの共犯率が,いずれも26年間で倍加して40%を超えたほか,ここ2〜3年では,自動販売機荒らし,空き巣ねらい,事務所荒らしの5人以上共犯の件数・比率が急増している。また,窃盗の検挙人員では,50歳代以上の中高年齢層の増加,再犯者と窃盗前科者の増加が目に付く。さらに,窃盗の増加に伴って,住居侵入や盗品譲受け等の窃盗の手口や盗品等の処分に関連する犯罪が増加している。
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