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 平成11年版 犯罪白書 第5編/第5章/第4節/3 

3 加害者の社会復帰に対する意見等

(1) 加害者の社会復帰に対する意見
 V-12図は,加害者の社会復帰(仮釈放)に対する意見を尋ねた結果である。「絶対反対」が53.2%で半数を超えているが,「仕方がない」も28.7%となっており,1本人のためならそれでいい」は11.7%,「一日も早く」は2.1%となっている。

V-12図 加害者の社会復帰に対する意見の内容別構成比

 また,V-64表は,事件からの経過年数と加害者の社会復帰に対する意見との関連を見たものである。「絶対反対」とするものは,経過年数10年未満で過半数を占めているが,一方,経過年数が15年以上の事案でも56.7%に達しており,刑名の大半が無期懲役であるこの種の事件において,年数が経過してもなお加害者の社会復帰に反対する被害者等が少なくないことがうかがわれる。
(2) 加害者の社会復帰に関してつけたい条件
 V-65表は,加害者の社会復帰(仮釈放)に関してつけたい条件を尋ねた結果を示したものである。調査対象のうち29件(30.9%)が条件をつけたいとしており,その内容として,釈放前の1服役期間」を挙げたものが11件,「帰住予定地」が6件,「遵守事項の内容」が2件,「その他」が10件であった。「その他」の具体的な内容は,「被害者の家や近所に来ないでほしい」,「謝罪してほしい」,「加害者が反省し,二度と事件を起こさないようになってほしい」というもQなどであった。

V-64表 加害者の社会復帰に対する意見

V-65表 加害者の社会復帰につけたい条件

(3) 加害者に関して知りたい事項
 V-66表は,加害者に関して知りたい事項の有無とその内容を尋ねた結果を示したものである。「知りたい事項がある」としたものは41件(43.6%)で,知りたい内容は,「釈放時期」が22件(23,4%)で最も多く,次いで「加害者の心境」,「帰住予定地」,「服役状況・態度」の順となっている。

V-66表 加害者に関して知りたい事項の有無とその内容