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 平成11年版 犯罪白書 第5編/第5章/第3節/2 

2 賠  償

 賠償の成立(示談,調停,民事裁判等による賠償内容の確定をいう。)の有無については,「賠償成立」が13件(13.8%),「未成立」が81件(86.2%)であった。賠償が成立しているものについて,賠償の種別を尋ねたところ,「示談」が7件,「調停」が1件,「民事裁判」が4件,「不明」が1件となっている。また,賠償額では,最低が70万円,最高が5,500万円で,1,000万円以上のものは8件であった。さらに,賠償の履行状況については,「全額受領した」が6件,「一部受領した」が3件,「全く受け取っていない」が3件,「不明」が1件であり,全額又は一部の賠償金を受領したものは,全体の9.6%にすぎない。
 賠償が成立していない81件について,交渉の状況を見ると,「交渉未開始」が74件で,その91.4%を占めている。V-58表は,賠償未成立のものにその事情を尋ねた結果を示したものである。「その他」が38.3%を占めているが,その内容としては,「加害者やその家族の住所,名前が分からないので交渉できない」,「どうしたらよいのか分からない」などのほか,「賠償請求はできないと思っていた」,「請求すると恐喝になると聞いた」,「相談した人から請求しない方がよいと言われた」というものもあった。

V-58表 賠償未成立の事情