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5 執行猶予等 (1) 執行猶予
平成元年以降の10年間における有期懲役・禁錮確定人員中の執行猶予率の推移はII-6図のとおりである。 II-6図 有期懲役・禁錮確定人員中の執行猶予率の推移 懲役に対する執行猶予率は,平成5年までは50%台であったが,6年以降は60%台で推移している。禁錮に対する執行猶予率は,懲役に対するものよりも高く,毎年,90%台で推移している。また,初度の執行猶予の場合は,同時に保護観察に付するか否かは裁判所の裁量によるが,再度の場合は,必ず保護観察に付される。平成10年における初度の執行猶予人員は4万1,648人(執行猶予確定人員の98.6%)で,うち保護観察に付された者は4,637人(同11.0%)である。また,再度の執行猶予人員は606人(同1.4%)である。 (2) 執行猶予の取消し II-11表は,最近5年間における,執行猶予取消人員を取消事由別に見たものである。 II-11表 取消事由別執行猶予取消人員 取消人員は,平成10年には,前年より107人(2.1%)増加して5,210人となっており,取消事由は,再犯により禁錮以上の刑に処されたことによるものが93.6%と圧倒的に多数を占めている。なお,ある年次における執行猶予確定人員と,その年次における執行猶予取消人員とでは,その対象が異なるので,前者に対する後者の比率は,厳密な意味での執行猶予取消率とは言えないが,執行猶予取消しのおおよその傾向を知るため,この比率を算出すると,近年上昇する傾向にあった執行猶予取消率及び保護観察付き執行猶予者の再犯による取消率は,平成10年には下降し,それぞれ12.3%,26.7%となっている。これを罪名別(執行猶予確定人員総数又は保護観察付き執行猶予確定人員が100名以上のものに限る。)に見ると,執行猶予取消率は,毒劇法違反(42.1%),覚せい剤取締法違反(25.7%)等で高く,保護観察付き執行猶予者の再犯による取消率は,覚せい剤取締法違反(38.4%),窃盗(31.3%)等で高い。 |