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 平成 9年版 犯罪白書 第1編/第5章/第2節/4 

4 家庭と非行

 I-9表は,昭和40年以降における一般保護少年(少年保護事件のうち,道路交通事件を除いた事犯の少年)の保護者の状況について,平成7年までの5年ごとを取り上げて示したものである。実父母のいる者の割合は,40年代から50年代半ばにかけて73%台から76%台の間で推移しているが,その後やや低下し,最近10年間は,70%前後で推移している。一方,50年代半ば以降は,親の死亡,別居,離婚等により親の一方を欠いた実父又は実母だけの家庭の割合が上昇傾向にある。
 また,I-10表は,昭和40年以降における一般保護少年の保護者の生活程度について,平成7年までの5年ごとを取り上げて示したものである。昭和40年には普通以上が74.2%で,貧困及び被保護が合計して25.8%であったのに対し,次第に普通以上の割合が上昇し,平成2年以降は90%以上を普通以上が占めるようになっている。

I-9表 一般保護少年の保護者の状況別構成比

I-10表 一般保護少年の保護者の生活程度別構成比

 I-76図は,昭和55年以降,少年相談や少年の補導活動を通じて警察が把握した家庭内暴力に係る少年の学職別の状況を見たものであや。家庭内暴力に係る少年の数は,58年の1,397人を最高に,多少の起伏を示しながらも,減少ないし横ばいを続けていたが,平成6年以降は漸増傾向が見られ,8年には744人となっている。
 なお,平成8年の家庭内暴力事犯少年について,暴力の対象別の状況を見ると,母親が454人(61.0%),父親が79人(10.6%),兄弟姉妹が32人(4.3%),同居の親族が103人(13.8%),物(家財道具等)が71人(9.5%),その他が5人(0.7%)となっている。

I-76図 家庭内暴力事犯少年の学職別状況