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2 女子少年の非行 戦後の少年非行の動向において特徴的なことの一つに,女子少年による非行の増加が挙げられる。I-73図は,昭和25年以降における男女別少年刑法犯検挙人員指数(25年を100とする。)及び女子比(少年刑法犯検挙人員総数に占める女子少年の比率)の推移を見たものである。男子の検挙人員の指数が70台から150台の間で増減を繰り返しているのに対し,女子は40年代後半から急激に増加し,ピーク時の63年には422に達した。その後平成5年にかけて減少したが,6年以降は再び増加傾向にあり,8年は285になっている。女子比は,昭和46年に10%を超え,51年以降は,起伏を示しながらも20%前後で推移している。
I-73図 男女別少年刑法犯検挙人員指数及び女子比の推移 I-7表は,昭和51年以降における交通関係業過を除く女子少年刑法犯の罪名別検挙人員について,平成8年までの5年ごとを取り上げて示したものである。どの年次を見ても窃盗が圧倒的に多いが,その割合は,90%台から80%前後に低下してきている。他方,横領(遺失物等横領を含む。)の割合が次第に高くなってきており,この二つの罪名で,全体の90%前後を占める状況が続いている。また,実数はそれほど多くないものの,昭和50年代後半から60年代初めにかけて粗暴犯の増加が見られ,構成比も7%ないし8%を占めたが,最近はやや減少傾向にある。I-7表 交通関係業過を除く女子少年刑法犯の罪名別検挙人員 また,平成8年の女子少年の交通関係法令を除く特別法犯の送致人員は2,820人(前年3,114人)で,そのうち毒劇法違反少年が1,816人(同2,245人)で最も多く,次いで覚せい剤事犯少年が676人(同540人),その他328人(同329人)となっており,薬物濫用少年が圧倒的多数を占めている。毒劇法違反及び覚せい剤事犯の少年送致人員に占める女子比を見ても,それぞれ31.7%及び47.1%(前年32.1%及び50.0%)と,極めて高い。女子少年の非行では,性の逸脱行為が問題となるが,I-74図は,昭和55年以降において性の逸脱行為で補導された女子少年の態様別人員の推移を示したものである。補導人員の総数は,59年の9,676人をピークに減少傾向を示し,平成5年には4,000人を割って3,946人となったが,6年以降やや増勢にあり,8年は5,378人となっている。態様別に見ると,どの年次においても,青少年保護育成条例による「みだらな性行為の禁止」違反事件の被害女子少年の占める割合が最も高い。 なお,平成8年において性の逸脱行為で補導された女子少年の年齢層別構成比は,中間少年が58.7%と最も高く,職業別構成比では学生・生徒の割合が66.2%で最も高い。 I-74図 性の逸脱行為で補導された女子少年の態様別人員の推移 |