3 破壊活動防止法による破壊的団体の規制に向けての措置 破壊活動防止法は,団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体に対する必要な規制措置を定めるとともに,暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し,もって公共の安全の確保に寄与することを目的(1条)として昭和27年に制定された法律であり,法律施行と同時に公安調査庁と公安審査委員会が設置された。団体規制の態様としては,暴力主義的破壊活動が集団示威運動等において行われた場合における集団示威運動等の禁止を内容とする団体活動の制限の処分(5条1項)と団体に対する解散の指定の処分(7条)とがある。公安調査庁長官は,それぞれ処分の請求をしようとするときは,あらかじめ,団体に対して弁明手続の通知を行い,団体から弁明を聴取した後,なお処分の請求を必要と認めるときは,証拠等を添付した処分請求書を公安審査委員会に提出する。これを受けて公安審査委員会が審査を行い,それぞれの処分を行う決定がなされた場合,団体は,当該処分取消しの訴えを裁判所に提起することができる。 公安調査庁長官は,教団が「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体」であり,継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあり,かつ,5条1項の処分によっては,そのおそれを有効に除去することができないと認められるとして,教団に対する解散の指定の処分を請求するため,平成7年12月20日,教団に弁明手続の通知(官報に公示)を行った。そして,8年1月18日から6月28日まで計6回の弁明期日を開いた後,7月11日,公安審査委員会に対して処分の請求を行った。
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