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 平成 6年版 犯罪白書 第4編/第7章/第4節 

第4節 保護観察対象者の国外旅行

 保護観察対象者が国外旅行をするときは,保護観察所長の許可を求めることなどが必要であるが,このほか,仮出獄者や保護観察付執行猶予者は,日本人の場合,旅券の発給について旅券法による制限を受け,また,日本人であると外国人であるとを問わず入管法の定めに従わなければならない。
 法務省保護局の資料によれば,保護観察対象者から国外旅行の申出があった件数(仮出獄者と保護観察執行猶予者からのものに限る。以下,本節において同じ。)は,平成元年140件,2年202件,3年170件,4年185件,5年138件と,3年と5年は湾岸戦争や経済不況の影響を受けて減少したものの,5年を10年前の昭和58年(41件)に比べると3.4倍にも増加している。これらの件数が直ちに保護観察対象者の国外旅行の全件数を示すものではないが,その推移をうかがうことができる。
 IV-29表は,国外旅行の申出件数を渡航先別に見たものである。アジア地域が最も多いが,中でも多いのが韓国とフィリピンである。
 なお,平成5年における国外旅行者の旅行目的は,職場観光(30.4%)や私的観光,業務出張,新婚旅行等であり,旅行期間は,7日未満(57.3%)や7日以上15日未満等が多い。

IV-29表 保護観察対象者の渡航先別国外旅行申出件数