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 平成 4年版 犯罪白書 第3編/第2章/第2節/1 

第2節 少年事件の検察及び裁判

1 少年検察

 III-17表は,昭和50年,60年,平成2年及び3年における,交通関係業過及び道交違反を除く少年被疑事件の検察庁新規受理人員について,刑法犯,特別法犯ごとに,少年による事犯が多い主要罪名別に,年齢層別構成比を示したものである。
 総数及び刑法犯実数は,いずれも昭和58年のピークの後63年に再び小ピークを示したが,平成元年以降は減少傾向が続いている。また,元年以降,年少少年及び中間少年の総数,刑法犯実数共に減少を続け,特に年少少年の減少が著しいが,逆に年長少年については,総数が2年,3年と増加し続けており,注目される。
 検察官は,少年被疑事件を家庭裁判所へ送致するときに,少年の処遇に関して意見を付すことができる。平成3年における業過,過失致死傷及び道路交通法違反事件を除く家庭裁判所終局処理人員について,年齢層別に検察官の処遇意見と家庭裁判所の終局処理結果とを対比してみると,III-18表に示すとおりである。検察官が付した刑事処分相当,少年院送致相当,保護観察相当の各意見の比率と,家庭裁判所の終局処理結果との比率を比べると,刑法犯,特別法犯共に,各年齢層において,家庭裁判所の終局処理結果の各比率は,ほとんどの場合,検察官の付した各意見の比率を下回っている。
 III-19表は,家庭裁判所が検察官に送致したいわゆる逆送事件について,平成3年における検察庁処理状況を,罪名別に示したものである。起訴人員総数のうち,98.1%は交通関係業過又は道交違反である。起訴のうち,公判請求された少年の割合は,総数では3.3%(刑法犯では33.0%,特別法犯では0.7%)にとどまっており,その他は略式手続により処理されている。

III-17表 検察庁新規受理犯罪少年の主要罪名・年齢層別構成比

III-18表 年齢層別検察官処遇意見及び家庭裁判所終局処理結果の構成比

III-19表 逆送少年の罪名別検察庁処理人員