前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成 4年版 犯罪白書 第1編/第4章/第2節 

第2節 犯罪者の国外逃亡

 警察庁刑事局の資料によれば,日本国内で犯罪を犯して国外に逃亡している被疑者は,平成3年末現在で311人であり,前年に比べて17人(5.8%)増加している。この内訳は,刑法犯の被疑者188人,特別法犯の被疑者123人であり,このうち84人(総数の27.0%)は,覚せい剤取締法違反,麻薬取締法違反及び大麻取締法違反の被疑者である。国外逃亡者の国籍(地域を含む。以下,本章において同じ。)を見ると,日本が83人(総数の26.7%)で最も多く,また,日本を含めたアジアの国籍の者が合計281人で,総数の90.4%を占めている。
 法務省刑事局の資料によれば,平成3年中に我が国が外国から犯罪人の引渡しの正式請求を受けた事例はなかったが,アメリカから,逃亡犯罪人1人の仮拘禁の要請を受けた事例が1件あった。また,同年中に我が国が外国に対して犯罪人の引渡しを正式に要請した事例もなかったが,アメリカに対して,その要請に先立つ措置として,逃亡犯罪人1人の仮拘禁の要請を行った事例が1件あった。