常時恩赦について,平成2年中に中央更生保護審査会が新たに受理した人員は84人で,繰越人員と合わせると177人となるが,恩赦の閣議決定が行われた人員は76人である。また,同審査会が恩赦不相当とした人員は29人である。II-60表は,常時恩赦の種類・上申者別恩赦人員を示したものである。
復権が62人(81.6%)で最も多く,次いで刑の執行の免除の8人(10.5%)となっている。
II-60表 常時恩赦の種類・上申者別恩赦人員(平成2年)
復権は,既に更生したと認められる者で,前科のあることにより資格が制限されるなど社会的活動の障害となっている場合に,法令の定めるところにより喪失し又は停止されている資格を回復させようとするものである。また,刑の執行の免除は,主として,無期刑の仮出獄者について保護観察を終了させる措置として採られるものである。この復権及び刑の執行の免除は,いずれも,これらの者の社会復帰を一層促進する刑事政策的役割を果たしている。