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 平成 2年版 犯罪白書 第3編/第4章/第4節/3 

3 迷惑目撃事態での判断

 III-43図は,「あなたは,街の中や電車の中のように,大ぜいの人がいるところで,暴力を振るったり,よっぱらって他人に迷惑をかけている人がいるとき,どうしますか」と尋ねた結果を示したものである。なお,昭和60年の青対本部調査における同一の質問に対する回答結果(構成比には「不明」を含む。)も掲げてある。
 回答結果は,男子と女子の間に差があるので男女別に述べる。まず,男子について見ると,一般群では,選択率の高い順に「成り行きを見ている」(47.7%),「車掌や警察官に連絡する」(16.5%),「その場を離れる」(13.4%)であり,非行群では,「成り行きを見ている」(33.4%),「注意してやめさせる」(26.6%),「力づくでやめさせる」(19.8%)である。女子では,一般,非行両群共に,「成り行きを見ている」(一般群38.2%,非行群42.4%),「その場を離れる」(一般群27.9%,非行群16.6%),「車掌や警察官に連絡する」(一般群25.2%,非行群15.2%)の順で選択率が高くなっている。

III-43図 迷惑目撃事態での判断

 迷惑目撃事態での行動の選択肢を「傍観・退避」(「成り行きを見ている」,「危険にまきこまれないようにその場を離れる」),「救援・通報」(「車掌や警察官に連絡する」,「やめさせるように周りの人に呼びかける」),「介入・阻止」(「力づくでやめさせる」,「注意してやめさせるようにする」)の3群に分けて選択率の高い順に見ると,男子では,一般群が「傍観・退避」,「救援・通報」,「介入・阻止」の順になっているが,非行群では「介入・阻止」,「傍観・退避」,「救援・通報」の順になっており,女子では,両群共に一般群男子と同様の順であるが,「介入・阻止」行動をとろうとする者の率は一般群よりも非行群で非常に高くなっている。また,図には示していないが,初入者よりも再入者の方が「介入・阻止」行動をとろうとする者の率が高まるのは注目される。

III-44図 少年が非行にはしる原因