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 昭和63年版 犯罪白書 第4編/第3章/第6節 

第6節 最終刑時から5年を経過した多数回前科者

 これまでの多数回前科者の実態分析により,様々な類型の犯罪者がいることが明らかになった。その再犯状況について見ても,極めて短期間に再犯を繰り返している者から,5年あるいは10年を経過しても再犯を犯していない者まで区々である。5年を経過した後も再犯に陥る者が見られないわけではないが,その比率は比較的少数であり,刑罰を受けた後,5年間以上再犯をしていない場合には,刑罰の目的はおおむね達したと見ることもできるのであるから,本節では,最終刑時(本章第1節5で述べたとおり,懲役・禁錮の実刑及び拘留に処せられた者については出所時,その他の者については裁判言渡時をいう。)から調査時までの経過年数が5年を超えている者につき,予後が良好な者として,その特徴を述べることとする。