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 昭和63年版 犯罪白書 第4編/第3章/第2節/2 

2 初犯時の罪名

 次に,多数回前科者が犯した初犯時の罪名を見てみよう。IV-25表は,多数回前科者の初犯時の年齢層別に,その時に犯した犯罪の罪名をすべて計上してその第10位までを見たものである。総数で見ると,窃盗,傷害,暴行,恐喝,詐欺等の順になっており,罪種としては財産犯と粗暴犯が多い。年齢層別に見ると,いずれの年齢層においても窃盗が第1位を占め,その他では,傷害,暴行,詐欺及び業務上過失致死傷が10成以内に入っているが,25歳末時年齢層別罪名順位は,「その他」に計上した。満の若年齢層においては,恐喝,暴力行為等処罰法違反などの粗暴犯や銃砲刀剣類所持等取締法違反が上位にあるのに対して,30歳以上の高年齢層においては,賭博,風俗営業等取締法違反,売春防止法違反,船舶職員法違反などの風俗関係又は船舶関係の常習的又は営業犯的な犯罪の罪名が上位に入っているという特徴を見ることができる。