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 昭和63年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/1 

第3節 少年鑑別所における鑑別

1 概  説

 少年鑑別所は,家庭裁判所の観護措置の決定によって送致された少年を,一定期間収容するとともに,家庭裁判所が行う少年の調査及び審判並びにその後の保護処分の執行に役立てるために,医学,心理学,教育学,社会学等の専門知識に基づいて少年の資質の鑑別を行う施設であり,昭和63年5月1日現在,全国に本所51庁,支所2庁が設置されている。少年鑑別所への収容には,上記の観護措置による場合のほか,勾留に代わる観護の措置,勾留,仮収容,留置等による収容があるが,観護措置による収容が最も多く,62年では新収容者の91.3%を占めている。次に多い勾留に代わる観護の措置は,7.6%である。

III-9図 少年鑑別所新収容者数の推移

III-27表 少年鑑別所新収容者数及び1日平均収容人員

 III-9図は,昭和24年以降における少年鑑別所新収容者数の推移を示したものである。新収容者は,26年の4万820人を最高に,42年までほぼ3万人台が続いていたが,その後49年には1万410人まで減少した。50年以降は漸増して,59年には2万2,593人となったが,III-27表のとおり,62年には2万333人となり,前年と比べて681人,3.2%減少した。また,1日平均収容人員は,26年以降42年までは,おおむね2,000人前後で推移していたが,46年以降は1,000人以下となり,49年は593人と最低値を示した。その後増加に転じ,59年は1,386人となったが,62年は1,258人となり,前年より44人,3.4%減少した。

III-28表 少年鑑別所退所事由別人員

 一方,昭和62年における退所人員は,III-28表のとおり2万399人であり,退所した者のうちで最も多いのは,家庭裁判所の決定により保護観察処分に付された者の8,109人であり,次いで,少年院送致処分となった者の5,247人,試験観察に付された者の3,188人などとなっている。