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 昭和63年版 犯罪白書 第2編/第2章/第1節/1 

第2章 検察及び裁判

第1節 検  察

1 被疑事件の受理

 II-1表は,昭和62年における全国の検察庁の新規受理人員を,罪名別に前年と対比して見たものである。
 昭和62年の新規受理人員総数は256万2,160人で,前年より68万595人(21.0%)減少している。新規受理人員総数の大幅な減少は,道路交通法の一部改正(62年4月1日施行)に伴う道交違反事件数の減少(68万5,325人減)によるものである。総数のうち,刑法犯は36.2%,特別法犯は63.8%となっており,交通関係業過を除く刑法犯は34万7,797人で13.6%,道交違反を除く特別法犯は13万5,226人で5.3%である。なお,交通関係業過は22.6%,道交違反は58.6%で,この両者で全体の81.2%を占めている。刑法犯について見ると,全体で前年より6,941人(0.8%)増加している。罪名別に見ると,増加しているのは,殺人(900人・ 38.9%増),賭博・富くじ(813人・ 12.3%増)及び横領(1,735人・ 7.0%増)などで,減少しているのは,暴力行為等処罰法違反(1,198人・ 17.2%減),暴行(786人・ 10.3%減),猥褻文書頒布等(102人・ 8.9%減)及び恐喝(1,112人・ 8.7%減)などである。特別法犯について見ると,全体では,前年より68万7,536人(29.6%)減少している。