刑務所及び少年刑務所は,懲役,禁錮及び拘留の執行を主要な任務とする刑事施設であり,一般に行刑施設ともいう。行刑施設としては,ほかに主として未決拘禁者(勾留中の被告人及び被疑者等をいう。以下同じ。)を収容する拘置所がある。行刑施設の数は,昭和61年5月1日現在,本所74(刑務所58,少年刑務所9,拘置所7),支所117(刑務支所9,拘置支所108)である。
II-22表 行刑施設1日平均収容人員
II-22表は,行刑施設の1日平均収容人員を昭和20年,25年,50年及び最近3年間について見たものである。1日平均収容人員は,戦後急激に増加し,25年には10万3,170人と最高を記録した。その後は多少の起伏を見せながら減少し,50年には戦後最低の4万5,690人となったが,51年から漸増傾向に転じ,60年は5万5,263人で前年より755人増加した。このうち,受刑者は,全収容人員の82.9%に当たる4万5,805人で,前年より770人増加している。一方,未決拘禁者は,9,268人(被告人9,042人,被疑者226人)で,前年より5人減少している。なお,60年末現在における行刑施設の収容定員は6万3,263人,収容人員は5万5,974人であり,収容率(収容定員に対する収容人員の比率)は,全体としては88.5%で,受刑者では97.6%となっている。
II-23表 受刑者の入出所事由別人員
II-23表は,受刑者の人出所の状況を見たものである。昭和60年の入所人員は3万3,792人であるが,このうち新受刑者(裁判の確定により,新たに入所した懲役,禁錮,拘留の受刑者及び死刑の執行を受けた者をいう。以下同じ。)は3万1,656人で,仮釈放の取消しなどにより復所した者は2,136人である。出所人員は3万3,033人で,その内訳は,満期釈放者が1万4,143人,仮釈放者が1万7,795人,その他,刑の執行停止などによる出所者が1,095人である。満期釈放者,仮釈放者の比率は,それぞれ44.3%,55.7%で,仮釈放者は,前年よりも1.9ポイント減少している。