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 昭和61年版 犯罪白書 第2編/第2章/第1節/1 

第2章 検察及び裁判

第1節 検  察

1 被疑事件の受理

 II-1表は,昭和60年における全国の検察庁の新規受理人員を,罪名別に前年と対比して見たものである。
 昭和60年の新規受理人員総数は337万2,119人で,前年より2,656人(0.1%)増加している。総数のうち,刑法犯は27.1%,特別法犯は72.9%となっており,交通関係業過を除く刑法犯は37万4,162人で11.1%,道交違反を除く特別法犯は13万7,782人で4.1%である。なお,交通関係業過は16.0%,道交違反は68.8%で,この両者で全体の84.8%を占めている。刑法犯について見ると,全体で前年より1万4,675人(1.6%)増加している。罪名別に見ると,増加しているのは,強制猥褻(107人,7.1%増),横領(1,488人,5.9%増),交通関係業過( 2万2,081人,4.3%増)などで,減少しているのは賭博・富くじ(2,649人,31.3%減),強盗(302人,12.5%減),贈収賄(115人,11.3%減),猥褻文書頒布等(184人,9.6%減),放火(118人,9.2%減)などである。特別法犯について見ると,全体では前年より1万2,019人(0.5%)減少している。53年,54年と大幅に減少した道交違反は,55年以降増加に転じ,60年は前年より更に1万302人(0.4%)増加している。