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 昭和60年版 犯罪白書 第4編/第3章/第4節/4 

4 更生保護における処遇

 全国の保護観察所が,昭和58年中に新たに受理した刑事処分による保護観察対象者2万4,688人のうち,業過事犯者は1,823人(うち,執行猶予者666人,仮出獄者1,157人),道路交通法違反者は1,712人(うち,執行猶予者922人,仮出獄者790人)である。
 IV-61表は,昭和58年中に保護観察が終了した業過事犯者及び道路交通法違反者の終了事由と保護観察中の成績を,一般事件の者との対比において見たものである。これによると,執行猶予及び仮出獄を取り消された者の比率は,業過事犯者で11.1%,0.3%,道路交通法違反者で26.2%,0.6%となっており,一般事件の者のそれ(35.9%,6.3%)よりもかなり低くなっている。

IV-61表 保護観察の終了事由・成績別構成比(昭和58年)

 また,経過が良好なため保護観察期間満了時に仮解除中であった執行猶予者の比率は,業過事犯者で43.7%,道路交通法違反者で25.9%となっており,一般事件の者の15.8%に比べて高い。さらに,期間満了時の成績が「良好」であった者の比率も,業過事犯者では,執行猶予者で27.3%,仮出獄者で46.6%であり,一般事件の執行猶予者の18.7%,仮出獄者の24.1%に比べて高くなっている。