III-28表は，新受刑者を入所度数別に見たものである。昭和58年における初入者と再入者(入所2度以上の受刑者)の割合は，初入者が40.0%，再入者が60.0%となっている。再入者の中では，2度目の者の占める比率が最も高いが，入所度数6度以上の入所者がこれに次いで高率である。性別では，男子の60.9%が再入者であるのに対し，女子では37.0%とかなり低率である。

III-28表　新受刑者の入所度数別構成比(昭和56年〜58年)

　III-29表は，新受刑者のうち，前刑出所後の犯罪により再入所した者について，出所から本犯までの期間(以下「再犯期間」という。)の累積率を見たものである。総数では，再入受刑者(1万8,220人)の26.1%が前刑出所後6月未満で再犯をして入所しているが，これを1年未満で見ると，45.5%に上っている。なお，前刑が満期釈放であった者1万325人と仮釈放であった者7,895人とについて再犯期間を比較すると，前刑出所後1年未満の再犯者は，仮釈放者の場合は37.4%であるのに対して，満期釈放者では51.7%であり，同じ再入受刑者であっても，満期釈放者の方が仮釈放者よりも比較的早い時期に再犯に陥る傾向が見られる。

III-29表　再入受刑者の前刑出所事由別再犯期間累積率(昭和58年)