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2 クレジット・カード犯罪 昭和35年に米国から導入されたクレジット・カード取引は,消費者にとっては,これを呈示するだけで簡便に現金の借入れや商品の購入ができ,また,販売業者や与信業者等にとっても事務処理の迅速化,簡素化に役立つことなどから,その後の普及には目覚ましいものがあり,58年3月末現在において,銀行系クレジット・カード,信販系クレジット・カード,流通系クレジット・カードなどの各種発行済クレジット・カードは約5,700万枚に達すると言われている。また,クレジット・カードの機能も,代金支払手段,消費者信用取引手段等多様化し,その構造についても,二者間カード,三者間カードなど様々である。
このように,クレジット・カード取引の増加に伴い,このシステムを悪用する犯罪が出現し,その後増加の一途をたどっている。 クレジット・カードをめぐる犯罪には,カードの取得,使用,処分の各段階において種々の形態がある。特に,精算日に代金を支払う能力がないのに自己名義のカードを使って加盟店等をだます形態,窃取,拾得,騙取などして入手した他人名義のクレジット・カードを不正に使用して加盟店等をだます形態等の詐欺事犯が圧倒的に多い。 II-52表は,最近5年間におけるクレジット・カードを利用した詐欺事件の検挙件数,検挙人員,被害額を見たものである。検挙件数,検挙人員とも一貫して増加傾向を示し,昭和58年の検挙件数は,8,019件と54年の5.6倍に激増している。 II-52表 クレジット・カード利用の詐欺事件検挙状況(昭和54年〜58年) |