非行少年の共犯率及び非行集団加入率を最近5年間について見ると，IV-12表のとおりである。昭和57年における共犯率は51.6%であり，非行集団加入率は7.8%である。5年間の推移を見ると，共犯率は常に5割を超え，少年非行の特質である犯行におけるグループ化が顕著になっているが，他方，非行集団加入率がやや減少傾向にあることから，友人，仲間同士の非組織的・流動的な結合関係に基づく一時的な共犯形態が多くなっているように思われる。

IV-12表　非行少年の共犯・非行集団との関係(昭和53年〜57年)

　暴走族は，現代の非行集団を代表するものの一つであるが，IV-13表は，最近5年間における暴走族のグループ数，構成員数及び構成員中に占める少年の比率を示したものである。グループ数及び構成員数は，昭和55年から急激に増加し，57年11月末現在で712グループで，4万2,510人とかなり高い数値を示している。また，構成員中に占める少年の比率は依然として高く，57年11月末で76.4%であるが，55年をピークとして減少に転じていることが注目される。

IV-13表　暴走族のグループ数・構成員数及び構成員中に占める少年の比率(昭和53年〜57年)

IV-14表　暴走族少年の検挙・補導状況(昭和53年〜57年)

　IV-14表は，最近5年間における暴走族少年に対する検挙・補導状況を見たものである。昭和57年における検挙・補導人員は，刑法犯，特別法犯及び虞犯・不良行為のいずれにおいても前年より減少している。